「赤穂の天塩」なるほど辞典

「赤穂の天塩」誕生の歴史

かつて赤穂の塩田時代に塩を作っていた人たちや有識者が、昭和48年に「赤穂の天塩」を開発したのは、昔からの「本来の塩」を再現するためのものでした。それは、戦後の塩を含めた食の変化への反省であり、失われたものを再び海から取り戻すことでありました。
そんな「赤穂の天塩」が誕生するまでの歴史をご紹介します。

伝統の塩づくり「塩田」が廃止

伝統の塩づくり「田」が廃止 伝統の塩づくり「田」が廃止 伝統の塩づくり「田」が廃止
我が国の塩田塩は数千年の歴史を有しています。日本の食文化の根源といっても過言ではありません。

海水に含まれているにがり成分は昔から不変で、人体に一番よい比率になっています。古来、我が国の塩田法で製造された塩には、そのにがり成分が自然のうちにバランスよく保たれていました。

昭和46年、政府は「塩業近代化臨時措置法」を国会に提出し、長い歴史をもつ瀬戸内海などでみられた「塩田による製塩法」を廃止し「イオン交換樹脂皮膜製塩法」による工場大量生産方式を世界で初めて採用実施する方針を明らかにしました。この方針に対して「食用塩としての自然塩確保についての請願書」「安全性・有効性不明のイオン塩の全面食用化実施期日の延期についての請願書」が提出され、国会各委員会で討議されました。

昭和47年6月、内閣総理大臣の回答(内閣参質68第4号)は、既定方針どおり、イオン塩製造にふみ切る代わりに、民間での「輸入の塩田天日塩をあらためて製造する法で自然塩は求められる」とし、最小限の消費者の選択の自由を残し、法案は通過しました。

イオン交換樹脂膜電気透析法とは

イオン交換樹脂膜電気透析法による「塩」の大量工場生産法。

交換樹脂は、石油系合成樹脂の一種で水には不溶性だが、水に入れると、その水に含むイオンと樹脂がもつイオン源とを交換するはたらきがある。海水に入れると、海水中の陽イオンであるナトリウム、マグネシウムなどを吸着し、陰イオン交換樹脂を入れると海水中の陰イオンである塩素、硫酸などを吸着するこの原理を応用し製塩法が開発された。工場の電解層に海水を取り入れ、石油からとった過酸化ベンゾイルやブタジエンを原料として作った半透性膜(イオン交換樹脂膜)に海水を通過させ、電気透析(分解)によって塩化ナトリウムのみを採取し、これをもって"食塩"とした。

自然塩の復活を願う各界の声により「赤穂の天塩」が誕生

土地と労力を要する塩田を廃止し、合理化を追求した「国家百年の大計」は、塩に"不純物"は不要と「イオン交換法」(海水の成分の一分子である塩化ナトリウムを化学的に取り出す製造法)により、自然のミネラルを取り去った"サラサラとした白い塩"をつくりあげてしまいました。「塩」は塩化ナトリウムだけをもって塩とする考えであったわけです。旧専売公社の「食塩」(並塩)がそれです。

そこで、塩は単に塩化ナトリウムだけでなく、海水に含まれているマグネシウムやカルシウム、カリウムなど、様々なミネラルを含んだものをもって塩とする考えをもつ自然塩運動グループが立ち上がり、忠臣蔵で名高い赤穂の由緒ある塩業会社に「ミネラルバランスのよい自然の塩」の製造試作を委託しました。そして昭和48年6月、専売公社は「自然塩」を製造認可し、自主流通を認めました。

本当の味を求め、健康を願う人たちに天然の恵みを届けるべく、海水中のミネラルバランスを内包し、我が国の伝統的製塩技術をバックにしてつくられた塩は、失われてものを再び海から取り戻す努力の結晶でした。そうして生まれたのが「赤穂の天塩」です。

自然塩の原料を、世界の天日塩田に求めて

塩は1.健康 2.食物元素 3.味覚と、それぞれに役割を果たしています。また少量の摂取で私たちの生命体をコントロールしています。その適量は微量であるがゆえに塩の質を左右する微量成分が大切です。

しかし、塩田が全面廃止された我が国において、どのようにして「昔の塩」を再現するか。天塩では、地球的視点に立ち、原料を海外の天日塩田(オーストラリア、メキシコ)に求めました。そして「昔ながらの自然塩」の再現に成功したのです。

こうして当社天塩は自然塩の本格的な普及に取り組みました。そして当社の自然塩は、各界の方々のご声援も得て、全国に広がっていきました。その広がりは、本当に良い塩を求める人たちの人間性の回帰・自然復帰の運動であったといっても過言ではありません。おいしく健康に良い自然塩が評価され、天塩では現在、全国500万世帯のお客様から温かいご支持をいただいています。

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