「赤穂の天塩」なるほど辞典

塩 この未知なるもの-天塩の企業理念-

塩は、生命発生のふるさと

赤穂の海

ヤマトコトバの数え唄は"ヒー、フー、ミー、ヨー、イー・・・"と、うたわれました。この唄は生命発生と社会形成の壮大なドラマを数であらわしたものです。生命の誕生については世界創造の記とされる「創世記」にも示されていますが、これほど明確に記録しているものは他にありません。

はじめにヒー・・・日(太陽)あり、ついでフー・・・風(空気)が生じ、ミー・・・水(海)がつくられ、ヨー・・・世(世界)が形成され、その後にイー・・・命(生命)が誕生した、と唄いつがれました。

1. ヒー(日) 太陽の光 6. ムー(産す) 生産
2. フー(風) 空気・風土 7. ナー(水・長) 時の経過
3. ミー(水) 8. ハー(発展) ひろがり
4. ヨー(世) 世界 9. コー(個) 個人生活
5. イー(命) 生命 10. トー(戸) 集団社会

学問上ではすでに定説となっていますが、地球ができて45億年、生命が海の中に発生して30億年、陸にあがって3億年、人類に進化して百万年の歳月を経ています。 30億年を1年365日に換算しますと、西暦2000年は除夜の鐘の鳴る前1分にも満たない短いものとなります。

陸にあがってからの気の遠くなるような歳月をみるときに、豊かな大地の恵みがあったからこそと感謝し、さらに、私たちの先祖が長い間この国で主に何を食していたかを考えてみれば、大切な食材とは何かを学びとることができます。そして、生命の歴史のほとんどが海の中の生活であったことを思えば、母なる海からの贈りものとして海の成分を大切にしなければならないのは当然のことでした。

赤穂の天塩の原点

人間を含む哺乳、卵生動物は、母胎内または卵内での成長の初期は形態上区別できぬほど類似しており、動物は母・卵内で30億年の歴史を経過して生まれてくるといわれています。ヘッケルはダーウィンの進化論に基づき、生物の進化類縁関係を系統樹で示しました。

人間は誕生まで羊水の中で生育されます。その羊水や血液、体液は、海水の成分バランスと同じような比率でナトリウム、マグネシウム、カルシウム、カリウムなどの元素が含まれています。人類は、これら徴量元素を「塩」の"不純物"であるにがりからも摂取する知恵をもっていました。その塩の成分が精製されて海の成分と異なってくるのは、生命の歴史からみても望ましいことではないと考えます。

"海"―水に人の母と書きます。フランス語の海、ラ・メール(mer)は母(mere)の意です。うみ、産み、生み、海は生命のふるさとであり「塩」はその海のエッセンスでなければならないのです。また、法華経に『すべて、如来の寿命は海中にあり』とあります。イエスは神の子たるべき人々をさして「地の塩」と表現しました。聖書にも『塩、もしその味を失わば、なにをもってそれを補わんや』と示しました。失われたものは取りもどすしかなく、他をもって補うことはできません。これが「赤穂の天塩」の原点となっています。

「塩」に含まれるにがり成分の重要性

ヤマトコトバの数え唄は、生命発生以降をあとの数でしるしました。

6.ムー・7.ナー・8.ハー・9.コー・10.トー。

ムは(産す)生産を表現、ナは(永、長)時の経過を示し、ハは(ひろがり)発展進化を表わしています。その過程に、コ(個)人の独自の生活があり、ト(戸)つまり集団社会へと進展しました。生命の維持には、ヒー、フー、ミー、日の光り、火、風土、海(水と塩)は欠かすことのできないものであります。

健康に関与するものの半分は環境、職業上を含めた精神的なものとの説があります。これを前提にしますと、残り半分は「運動」「睡眠」や「食べもの」などの分担となります。つまり、私たちは健康のために気を使わないといけないことが一杯あるということです。そのすべてに共通していえることは「バランス」ではないでしょうか。いろいろな分野、総合的にもバランスは大切ですが、「塩」単品においてもにがり成分のバランスをもつことが望ましいと考えます。

塩の場合は健康のみならず、味の面でも、食品加工原素としても、その調和は必要です。私たちは"ささやかな"塩までも、よりよいものを求める心が食生活を見直し、さまざまな要因の上に成り立つ「健康」につながるものと信じています。

健康法の根本は"生命とはなにか"ということだと考えております。

食文化の歴史を織りなしてきた「塩」

わが国の食文化は食品材料、食べもの知識、調理技術、食べ方などのひろがりの中に結実してきましたが、調味料、とくに塩が果たした役割は大きいものがありました。旨味の調整、発酵醸造、浸透、殺菌、改良促進など多角的な働きをするミネラルをタテ糸に、数多くの"おふくろの知恵"、生活の知識をヨコ糸として、塩はこの地に、伝統的な食文化の歴史を織りなしてまいりました。

この塩をとりあげるとき、塩に含まれるべき成分、さらには健康や味、そして食生活そのものを原点から見直す論議へと展開します。そのことが、塩とは何かを問い、塩の本質を知る道につながっているのではないでしょうか。

各地の地名、民謡、俚諺、物語りに残り、お清めや健康療法にも用いられてきた塩。サラリー(salary)や野菜のサラダ(salad)、フランスのサロン(salon)文化も、塩(salt)が語源であったように、かつては時代の主役をなした塩が現代ほど片隅に追いやられているときはありません。

中国前漢書「食貨志」の中に「塩は百肴の将、酒は百薬の長」という言葉があります。後段はなじみの文句ですが、肝心の前段の名句は残念ながらわが国では埋没しました。

  • 天塩ライブラリー塩 この未知なるもの-天塩の企業理念-
  • 天塩ライブラリー「赤穂の天塩」誕生の歴史
  • 天塩ライブラリーマグネシウム再評価の歴史
  • 天塩ライブラリースプレー水塩「京の水塩」誕生秘話スプレー水塩「京の水塩」誕生秘話
  • 塩とにがりの情報館塩とにがりの関係塩とにがりの関係