塩にまつわる知識

梅干しの効用 ~よい塩梅とは~

私たちの祖先は、すばらしい食品を引き継ぎ残してくれました。日本の風土、日本人の体質、その生活の知恵から生まれた代表的な食べ物として、漬物、味噌、梅干しがあります。その三つとも「塩」とは切っても切れない仲にあります。

梅干しの場合、私たちが日常用いている言葉の中に、「よい塩梅(あんばい)」という語がありますように、
塩と梅とはただならぬ仲です。中国の宋の時代に「塩が多ければ塩からい。梅が多ければ酸っぱい。両方が中を得れば"塩梅"なり」とあります。

むかしは梅酢が「味かげん」の主役をつとめていました。食品の中で、素材に対して最も塩の使用割合の多いのは梅干しで、約15%から20%用いられます。それだけに、よい梅干しをつくるのには、よい塩を用いたいものです。

ニガリ成分を含んだ塩は、やはり漬けあがりが微妙に違ってまいります。梅干しは、アルカリ性食品です。白米を主食とする日本人の血液は、酸性に傾きがちですが、100gの白米を食べたときに梅肉エキス0.2gなめるだけで、血液のバランスがとれるといわれます。

梅干し入りの日の丸弁当や、おにぎりをつくった昔の人の生活の知恵は実に感嘆すべきものがあります。

食物中の糖質、たんぱく質、脂質などの栄養素は、人体の中で分解されて最終的には炭酸ガスと水になりますが、この際発生するエネルギーが人体の体熱と活動源となるのです。この変化の主役を演じているのが、梅の酸の主成分である"クエン酸"なのです。梅はスッパイから酸性食品と思われがちですが、レモンやワインと同じくアルカリ性です。
私たちの体は、常に弱アルカリの状態にあるのが望ましいのです。

梅干しが万能薬として古くから愛用され、家庭の常備品として使われていたのは、科学的根拠のあることです。