手作り味噌 簡単作り方

「手前味噌」という言葉を知っていますか?意味は自分で自分を褒めること。かつて味噌は自家製で、自分が造った味噌を互いに自慢しあったことから生まれた言葉だそうです。しかし、今や味噌はお店で買うもの、自家製なんて無理…と思っている方がほとんど。ところが実際に作ってみると意外に簡単。思わず自慢できるほど、おいしいお味噌が作れます。

材料(2kg分)

材料名

普通甘口味噌

普通味噌

煮た大豆

750g

1000g

米こうじ

1000g

750g

赤穂の天塩(塩分13%)

250g

250g

※煮汁を適量含ませると最終塩分は約12%になります。

作り方

【大豆の下ごしらえ】すりつぶし煮大豆と大豆煮汁を作る

(1)大豆を水でよく洗い、約3倍の水を入れて、一晩おき、大豆に水をしみこませます(寒い冬期の場合は前日の昼から水につける)。
 翌朝、大豆が約2倍に膨れあがります。
(2)膨らんだ大豆の水をきり、鍋に入れ、大豆がヒタヒタより多めに水を入れ、強火で沸騰したらアクを丁寧に取り除きます。
 よくふきこぼれるので注意しましょう。
(3)大豆を親指と人差し指で挟んで、楽につぶれるまで、弱火で約3~4時間煮ます。
 (圧力鍋の場合約30分)。コゲないよう注意しましょう。
 もし、水が減りコゲ付きそうになったら、お湯をおいたししましょう。
(4)熱いまま煮大豆をザルにあけ、煮汁を別に取ってラップをかけておきます。
(5)煮大豆は、人肌ぐらいの温度でミートミンサーもしくはミンチチョッパーでミンチ状にすりつぶします。
 つぶす機械がない場合は、バットや袋に入れ、手でつぶします。
 熱いままだと良くつぶれます。


【味噌の仕込み】

(1)米こうじと塩をよく混ぜあわせます。
(2)これに煮大豆(すりつぶした煮大豆)を入れ、よく混ぜ合わせながら、耳たぶぐらいの硬さになるくらいまで、大豆の煮汁を調整しながら加えます。
(3)空気が入らないよう保存容器に詰め込みます。
 (野球ボールくらいの味噌玉を作り容器にたたきつけるように投げ入れ隙間のないように)
(4)容器の内側を乾いたフキンで拭き取り、味噌の表面にホワイトリカーをふり、空気に触れないよう表面にラップなどをして、冷暗所で6~12ヶ月すると美味しい味噌の出来上がりです。


Qいつから食べれるの?

味噌が美味しくなるのは一夏こした後と言われています。例えば12月仕込みの場合、9月頃が食べどき!

Q保管場所や手入れの方法は?

直射日光の当たらない温度変化の少ないところに置きましょう。容器を密閉すると発酵ガスが溜まり容器が破裂する場合がありますので、蓋を開けるか隙間を空けた状態で容器より一回り大きいレジ袋等をかけて熟成させましょう。

Qカビが生えたら?

出来上がった味噌表面にカビがつくのはあたりまえ。中身は問題ありませんので、表面のカビをキレイに取り除いてから冷蔵庫に入れ、おいしく頂きましょう。

原料の選び方

大豆

大豆は、たんぱく質と炭水化物が多く脂質の少ない品種が味噌づくりに適しています。  国産品種としては、キタムスメ,さやなみ,タママサリ,タマホマレ,トヨマサリなどがあります。

米こうじ

米こうじ作りは、温度や湿度管理など熟練の技と技術が必要です。 家庭でつくるには非常に難しいので、通信販売や町の味噌メーカーなどで国産米こうじを選び使用しましょう。

味噌は、日本古来より伝わる発酵食品です。適度な発酵を促して美味しく仕上がる、“にがり”を含んだ塩を選びましょう。「赤穂の天塩」や「天海の塩」は、味噌を美味しく発酵させます。

水は、「軟水」(ミネラルの少ない水)が適しています。特に白みそなどは、褐変原因となる微量ミネラルを含まない水の方が白く仕上がります。


味噌の配合割合と味

【味噌仕込み配合と期間】味噌1kg出来上がり分量

●味噌を仕込む時期は、寒い12月~3月が適しています。それ以外の雑菌の繁殖しやすい暖かいときに仕込む場合は、仕込み直後、2週間~1ヶ月冷蔵庫で熟成してから、常温で熟成しましょう。

材料名

甘味噌
(白味噌)

普通味噌
(普通甘口味噌)

辛口味噌
(赤味噌)

大豆(すりつぶした煮大豆)

380g

440g

590g

煮た大豆の煮汁

60~100g

100~140g

40~80g

米こうじ

480g

300g

240g

60g(塩分6%)

120g(塩分12%)

120g(塩分12%)

仕込み期間目安

1週間(55℃で1~2日)

6ヶ月~1年

1年以上


ポイント

甘味噌(白味噌)

色を白く仕上げるには、大豆の皮を取り除きましょう(大豆を煮た後に)。また、硬度の低い水(ミネラルの入っていない水)を使用すると色が白く仕上がります。塩分が低いため日持ちしにくく、空気に触れるとすぐに色が黒くなっていくので大量に作りすぎないようにしましょう。

普通味噌(普通甘口味噌)

一般的な味噌で手軽に家庭でも作れます。原料に黒大豆を使用したり、米こうじの代わりに麦こうじを使用すると麦味噌が出来るなど、おもしろ味噌としても楽しめます。

辛口味噌(赤味噌)

 熟成期間が長いので、家庭であまり作られませんが長期熟成した旨味を楽しめる味噌です。