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  • 梅干しの秘密

日本人の知恵である 「梅干しの秘密」を 分かりやすく解説します。

はじめに

日本では「夏にお茶と梅干しを毎日摂るとよい」との言い伝えがあります。梅干しに含まれるクエン酸に疲労回復や防腐作用があるためですが、昔の人は経験的に梅干しが体に良いことを知っていて、利用してきました。おにぎりに梅干しを入れるのは、ご飯の腐敗を防ぐと同時に、健康に良い梅干しを美味しく食べさせる最高の食事だったのです。皆さんも「梅干し」と聞いて、口の中がしょっぱくなり、唾液がわき上がってきていませんか。実はこの唾液の分泌も梅干しの健康効果の一つ。食欲が刺激され、胃腸の働きが活発になり、消化も良くなります。そんな健康に良い梅干しですが、その歴史や成分、体にどう良いかなど詳しいことはあまり知られていません。そこで「塩」とは切ってもきれない深い仲である「梅干しの秘密」をひもときながら、梅干しの簡単な漬け方や、梅干しを美味しく食べる料理法などもご紹介します。


「梅干し」は日本人の生活の中に生きてきた

梅干しとは?

そもそも梅干しは青梅の実を塩漬けにし、天日干ししたもの。日本人なら一度は食べたことのある日本の食文化を代表する伝統食品です。赤ジソを一緒に漬けるのが定番ですが、最近はハチミツ梅干しやカリカリ梅など、より美味しく食べやすい梅干しも出回り、お茶漬けやふりかけなどにも利用されています。梅干しを初めて食べた時は、酸っぱくて、しょっぱい味にちょっと驚きますが、これがなんともご飯にぴったり。本当に美味しい梅干しは梅本来の甘味が残っていて、塩辛さはほとんどなく、すっきりと上品。シソの香りも爽やかで、実に美味です。お弁当やおにぎりはもちろん、日本の食卓にはなくてはならない食品ですが、1世帯当たりの年間消費支出額はここ2年ほど減少。直近20年間で最も大きかった2000年と比べると75.4%※の水準です。特に若い人の梅干し離れが進んでいるようです。
※出典:総務省「家計調査」。

 

梅干しのふるさとは?

日本で梅干しが書物に登場したのは平安時代の中期。村上天皇が病気の折に梅干しとこぶ入りのお茶で回復したとの記述があります。現在のように一般家庭の食卓に並ぶようになったのは江戸時代で、以来、家庭の常備品として愛されてきました。ところで原料である「梅」はどこから来たのでしょう。そもそも梅はバラ科に属し、スモモやアンズの仲間。ただしスモモやアンズが世界的な広がりを見せているのに対し、梅は東アジアのみで生育。欧州やアメリカにはほとんど存在せず、もちろん梅干しもありません。実は梅の原産地は中国というのが一般的。日本でも宮崎県や大分県、山梨富士川の岸辺に自生していたという説があり、縄文時代の地層から梅の種が出土したという報告もあります。しかし中国では、三千年以上も前からすでに薬として使用され、白井光太郎博士の「植物渡来考」にも梅は中国が原産と記されています。おそらく中国四川省、湖北省貴州、つまり江南地方が原産と思われています。

梅干しの歴史

日本に梅が伝わってきたのは、奈良時代の頃といわれています。それは花でも梅干しでもなく、梅の実を燻製させて作った烏梅(うばい)と呼ばれる薬のようなものとして知られたようです。梅の木が渡来したのはスサノオノミコトが朝鮮から「八十樹種」を持って来させた時に、その中にあったといわれています。いずれにしろ奈良時代を境に梅は日本に移植され、急速に広まり、持統天皇、聖武天皇の時代を経て、梅花は家中第一ともてはやされるようになりました。日本最初の漢詩集『懐風藻』の中に梅花の詩があり、また万葉集で柿本人麻呂が「梅の花さける岡べに家居れば また山高みふりきたる雪」と歌っているのが、おそらく日本初の梅の花の歌といえるでしょう。

 

名前の由来

「うめ」と呼ばれるようになった語源の由来は諸説ありますが、『万葉集』では「ウメ」と呼ばれていたのに、平安時代は「ムメ」に変わり、江戸時代の文献にも「ムメ」と書かれてありました。与謝蕪村の俳句にも「梅咲きぬ どれがむめやらうめぢゃやら」とあるほどです。現在は、「ウメ」と発音していますが、地方によっては「ムメ」と言っているところもあるようです。つまり「ウメ」は訓読ではなく梅の音。「象」「蝶」「菊」と同じく日本固有の「やまとことば」がないことからも中国から伝来したものであることがわかります。

平安時代の梅干し

日本最初の医学書『医心方』は平安中期の医師、丹羽康頼が984年に著したもので、この中に梅干しの効能が取り上げられています。『枕草子』では「にげなきもの」の一つとして「歯もなき女のむめ食ひて酸がりたる」と辛辣に観察していますが、おそらくこの梅は酸味のきつい青梅のことだったろうと思います。また平安時代の梅といえば、菅原道真の「東風吹かばにほひおこせよ梅の花 あるじなしとて春な忘れそ」の歌と飛梅伝説はあまりにも有名です。梅干しとはあまり関係ありませんが…

 

鎌倉時代の梅干し

鎌倉時代になると武士の食膳にも梅干しが乗るようになりました。それまでは「梅干ハ僧家ノ肴」でしたが、禅宗の僧の簡素な食生活と質実剛健な武士の気風がマッチし、武士の間に広まったようです。また武士のもてなしに「垸飯(おうはん)」と呼ばれるものがあり、クラゲ、アワビに梅干しを塩、酢と一緒に出されました。出陣や凱旋の縁起物として用いられたようですが、この梅干はおかずというより解毒剤的な意味が強かったようです。

戦国時代の梅干し

戦国時代の梅干しは薬として重んじられ、元気のない時に唾液を出させる「息合の薬」として使われました。また合戦の時には落ち着きを取り戻し、精神を安定させる目的で「息を調える」ことにも使われました。戦の際の軍糧ではあったもののあくまでも薬で、食品として扱っている形跡はなかったとのことです。黒田如水は家臣たちに「男の子が生まれるごとに、梅三株植えよ」とおふれを出したと伝えられていますが、戦場における梅干しの重要性が分かるエピソードです。

江戸時代の梅干し

一般家庭で梅干しを漬け始めたのは江戸時代の初期。後期には一般家庭の常備品として食卓にのぼるようになりました。当時は大きな桶を重ねた梅干し売りが街を歩いて売っていたようで、伝染病や悪性の風邪が流行した年は、梅干し売りの往来がにわかに激しくなったとか。この頃の医療に関する本には、梅干しの効用が多く載っていて、それが民間療法として今に伝えられています。また梅干しの需要が増えたことで、大きな利益を得たのがみかん船で有名な紀州屋文左衛門。紀州から運ばれた梅干しは「田辺印」として珍重されたそうです。

明治以降の梅干し

明治になってからも梅干しは、身近な保険薬であり、健康食品でした。明治10年から20年にかけて全国的にコレラや赤痢などの伝染病が流行した時は、和歌山県田辺の梅干しが続々と出荷されたそうです。このように梅干しは、長い歴史を経て、私たちの生活と切ってもきれない関係を築き上げてきました。今、梅干しは時代に合わせてさまざまに変化していますが、昔ながらの伝統の味はこれからも守っていきたいですね。

 

梅の名所

全国には梅の名所がいろいろありますが、有名なのは茨城県水戸の偕楽園。徳川斉昭が天保12年5月に約3千本の梅を植えたのが始まりとされ、観賞用であると共に備蓄食料としての役割もあったようです。また水戸黄門として知られる水戸光圀も「水仙梅里」と号したほど梅を愛した人だったそうです。その他、九州・福岡県の県花が梅です。太宰府天満宮の「菅公飛梅伝説」に由来するもので、太宰府天満宮の向かって右側にあるのがその伝説の梅。今でも毎年美しい花を咲かせています。大分県の件花も豊後梅。別名、肥後梅とも称され、その梅干しを将軍に献上したところ実の大きさに驚かれたそうです。

 

梅に関することわざなど

〈塩梅〉塩が多ければ塩辛い、梅が多ければ酸っぱい。ちょうどいい頃合いなら「よい塩梅」となります。 〈花も実もある〉この花は梅を指すとされ、春に先がけて美しく咲き、さらにみのると健康食品の梅干しになることから、外見も美しく、内容も充実していることを表します。

〈梅はその日の難のがれ〉朝出かける前に梅干しを食べると、その日は災難を免れるという意味。梅干しの殺菌効果から来ているようです。 〈梅を食うとも核食うな 中に天神寝てござる〉青梅や生梅の核には毒があり、食べると腹痛や中毒を起こすことから食べるなという戒めの意味で、天神様=菅原道真公を出すことで諭したと言われます。 〈梅に鶯〉よい取り合わせの例え。

6月6日は梅の日

室町時代の天文14年4月17日(新暦1545年6月6日)、当時の後奈良天皇が、京都の賀茂神社で梅を奉納し、五穀豊穣を祈ったところ、にわかに雷鳴が轟き、雨が降り注ぎました。その故事にちなみ、梅干しの産地である和歌山県の「紀州田辺うめ振興協議会(紀州梅の会)」が、ちょうど梅の収穫時期でもある6月6日を梅の日と制定しました。

「梅干し」が体に良いのはなぜだろう?

昔から梅干しは体に良いとされてきた健康食品。最近は梅干しの健康効果が科学的にも解明されており、大きな注目を集めています。一日一粒、梅干しを食べて、医者知らずの健康な身体を目指しましょう。

仙人に近づきたいなら唾液を出そう

不老不死といわれる仙人に近づく方法に「毎日、唾液がよく出るように心がける」ということがあるそうです。唾液なんて汚いだけ…と思いがちですが、実は生理学上、唾液は重要な役割を果たしているそうです。もし唾液の分泌が少ないと感じたら、梅干しを想像してみてください。自然と唾液があふれてきます。梅干しを知らない外国の方ではこのようなことにはならないですね。長年培われてきた日本の食文化の歴史が、現代に生きる私たちにも影響しているとは、ちょっと不思議なことです。

 

梅は野菜ではなくフルーツ!

バラ科に属する梅は野菜ではなく果物です。しかし生のまま食べることはできません。青梅の核にはアミグダリンという青酸配糖体が含まれているためで、食べると腹痛や中毒を起こします。ところが塩漬けして梅干しにすれば大丈夫。種の中の仁まで食べられます。しかも果物であるため栄養価が高く、特にタンパク質や、カルシウム、リン、鉄などのミネラルが豊富。梅干しに加工しても栄養価はさほど変わらず、リン、鉄は少し減少しますが、その分ナトリウムや有機酸(クエン酸・リンゴ酸・コハク酸・酒石酸)が増加。塩や太陽の力によって、体に良い健康食品、保存食品として生まれ変わっているのです。

梅干しって、酸性?アルカリ性?

身体は酸性よりアルカリ性の方が良いといわれます。実は身体を作るのは食べ物で、酸性の食品が多ければ酸性に、アルカリ性の食品が多ければアルカリ性に傾きます。では梅干しは酸性、それともアルカリ性?酸っぱいから酸性と思われがちですが、実は正真正銘アルカリ性食品です。レモンやお酢、夏蜜柑など酸っぱい食品はアルカリ性で、牛肉やマグロなどは酸性。一般に美味しそうに見える食品は酸性で、積極的には食べない海藻や緑の野菜などがアルカリ性食品と考えるとわかりやすいですね。もちろんタンパク質源となる酸性食品も大事ですが、同時に野菜や果物、根菜類などのアルカリ性食品を摂取するようにしてバランスを整えることが重要。保存食品の梅干しなら季節を問わず食べられ、一粒で大きな効果が期待できます。

 

 

酸っぱい成分・クエン酸の効果

疲れた時に、酸っぱいものを食べたくなることがあります。これは身体がクエン酸を求めている証拠。実はクエン酸には疲れの原因となる乳酸を体外に排出する作用があります。梅干し1粒にはレモン1個の2〜3倍のクエン酸が含まれているといわれ、疲れたらまず梅干し。肩こりに悩む方にもおすすめです。

その他、梅干しの効果とは

【脂質燃焼作用】
梅干しの中には脂肪燃焼効果が期待できる成分・バニリンが含まれていることが見出されています。

【インフルエンザ予防】
和歌山県立医科大学の研究により、梅干し由来のポリフェノールにインフルエンザウィルスの増殖を抑制する効果があると発見。応用に向けた研究への発展が期待されています。

【ピロリ菌の抑制】
梅の中には胃に障害を及ぼすピロリ菌の運動能力を阻害または抑制する効果がある物質が含まれていることを見出しました。

【糖尿病の予防】
梅干しの中には血糖値の上昇、肥満等に関わる酵素の働きを効果的に阻害する成分が含まれていることを見出しました。

【食中毒の予防】 昔から梅干しを食べると食あたりしにくいといわれていますが、梅干しが「黄色ブドウ球菌」や「病原性大腸菌(O-157)」といった食中毒の細菌の増殖を抑制する制菌作用があることが明らかになりました。

【動脈硬化の抑制】
梅干しはアンギオテンシンIIという血管収縮性作用のあるホルモンの働きを調整し、血圧の上昇を抑え、動脈硬化の発生を抑制する作用があります。

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【夏バテ対策】
ミネラル豊富な梅干しは夏バテ対策にもおすすめ。熱中症対策の塩分補給にももってこいです。

塩分の取り過ぎにならないの?

梅干しは、天然のサプリメントといわれるほどいいこと尽くしの食品です。ただ気になるのは塩分が多いこと。毎日食べていると塩分の取り過ぎになるのではという心配があります。気になるなら多少控えた方がいいですが、実は梅干しには血圧を下げる機能も確認されていて、それほど心配する必要はありません。

◇気になったら、簡単に塩抜きしましょう
塩分は気になる、でも梅干しは食べたい…。そんな方には簡単な減塩テクニックをご紹介します。

梅干しの塩抜き

・ボウルにたっぷりの水をはり、梅干しを適量入れます。
・1時間後、一度水を取り替えて、一晩おけばOK。
・調味料を加えなくても減塩梅干しに。

プラスαでさらに美味しく!

〈バジルオリーブ油漬け〉バジルの葉とオリーブオイルで漬け込む。

 

〈はちみつシナモン漬け〉はちみつとシナモンスティックで漬け込む。

 

〈かつお昆布漬け〉みりん、鰹節、細切り昆布で漬け込む。

 

〈花山椒しょうゆ漬け〉花山椒、しょうゆ、みりん、ごま油で漬け込む。

 

※全て塩抜きした梅干しをお使いください。

日本人の知恵
昔ながらの「梅干し」を作ろう!

「梅仕事」をご存知ですか?

「梅仕事」とは辞書によると、その年に収穫された梅の実を使って、梅酒や梅干しなどを作ること。梅の旬は5月〜7月。まさにスーパーの店頭に梅が並び始める梅雨時が「梅仕事」の季節です。少し前までは、日本各地で当たり前に行われていた年中行事の一つ「梅仕事」を、おうちでの時間が少し長くなった今こそ始めてみませんか。美味しい梅干しを簡単に作れるレシピもご紹介します。

梅干しの美味しさは原料で決まる!

梅干しの原料といえば「梅」と「塩」。この二つの品質によって、梅干しの美味しさは左右されます。

どんな梅を選べばいいの?

梅の実を選ぶときのポイントは品種と完熟度。梅の種類は300以上あるといわれていますが、適しているのは皮が薄く、果肉がジューシーで柔らかいもの。粒の大きさが揃っていた方が漬けやすいです。さらに青梅ではなく、黄色く熟して、よい香りが出た完熟梅をお選びください。キズがあったり、傷んだものは漬けている間に潰れる原因になるので取り除きます。
・青味が残っている梅は2〜3日常温において、黄色く追熟させます。
・青くて硬い未熟な青梅は、梅酒や梅ジュースにどうぞ。

 

塩は「赤穂の天塩」がおすすめ!

梅と塩は切っても切れない間柄。美味しい梅干しを作るには、にがり成分を含んだ塩をお使いください。たまに水があがらず梅を腐られてしまったという失敗がありますが、原因は塩にあるのかもしれません。ニガリ成分を含む塩の『赤穂の天塩』を使えば、水あがりが早く、初心者でも失敗が少なく作れそうです。

【赤穂の天塩を使うと…】

◆水あがりがよい!
“ニガリ”の粉効果で梅への付着性がよく、塩の浸透交換作用が行われるため、早く水があがります。

◆カビが生えにくい
梅への塩分浸透が早く、水あがりが早いため、微生物やカビによる変質を抑制します。

◆破れにくい
果肉組織がしっかりし、果肉の破れが少なくなります。

◆まろやかな味わい
味がソフトでマイルドな梅干しが出来上がります。

塩分18%~20%がおすすめです

最近は減塩の梅干しもありますが、梅干し本来の美味しさを引き出すには、昔ながらの塩分18%~20%がおすすめです。塩分が高いほど防腐効果が高まり、カビが生えにくくなります。想像しただけで唾液がわいてくるような酸っぱさとしょっぱさが食欲をそそります。

しっとりとした粗塩で

梅干し作りには、ニガリを含んだ粗塩(赤穂の天塩)が向いています。しっとりしているので梅の表面に付着しやすく、早く水があがります。また、ニガリ成分が梅の果皮ペクチンと結合し、果肉はしっとり、皮は破けにくい美味しい梅干しに仕上がります。

毎日様子を見る

梅干し作りで失敗する原因は、「塩分が少なすぎる」「梅が空気に触れる」「洗った水気が残っている」など。とくに梅が空気に触れるとカビたり、梅酢が白く濁ることも。袋漬けするときは、空気を押し出すようにジッパーを閉め、しっかり密封してください。梅酢があがるまでは、毎日様子を見て、袋を軽く揺すって、塩をまんべんなくなじませます。

それでは、作ってみましょう

「楽しい手作り 梅の袋漬け」 1kg単位で気軽に作れる梅の袋漬けです。特別な道具を使わず、とっても簡単。初めてでも失敗少なく作れます。

STEP1 塩漬けにする(6月中旬〜下旬)

黄色く完熟した梅が出回ってきたら、まず塩漬けにします。
〈材料〉
・梅(黄色く完熟したもの)…1kg
・粗塩(赤穂の天塩)…160〜200g(梅の16〜20%)
・焼酎(35度)…適量
・ジッパー付き冷凍保存袋…大1枚

道具の選び方

袋漬けなので、特別に用意する道具はありませんが、重石をするときに袋を入れるボウルは、塩や酸に強いガラスかほうろう製のものを使います。万一袋が破れたり、梅酢が漏れたときも安心です。

〈1〉梅は洗って、ヘタを竹串でとり、ペーパータオルで水気をよく拭く。
〈2〉霧吹きに焼酎を入れ、梅にまんべんなく吹きかける。
〈3〉保存袋に梅と塩を入れ、袋をふってよくなじませ、空気を抜きながら袋の口を閉じる。
〈4〉3をガラスかほうろうのボウルに入れ、500mLペッドボトル4本(計2kg)を重石にのせる。
〈5〉暗くして、涼しい場所に置き、1日3回袋を揺すって全体をなじませる。2〜3日して塩が溶け、梅酢があがってきたら重石を1〜2本に減らし、赤ジソが出るのを待ちます。

STEP2 赤ジソ漬けにする(7月上旬)

赤ジソ付けにしない場合は、STEP2は省いて、梅雨明けを待ちます。 ※便利な市販の赤ジソ付けもあります。

〈材料〉
・赤ジソの葉…1束(正味200g)
・粗塩(赤穂の天塩)…40g(赤ジソの20%)

〈1〉赤ジソは葉を摘んで水洗いする。
〈2〉大きめのポリ袋に1を塩20gをふりながら入れ、袋をふって全体に塩をまぶす。
〈3〉袋の上から手でよくもみ、黒いアクのある汁が出たら、水気を絞る。
〈4〉もう一度塩20gをふって同様にもみ、水気をかたく絞ってボウルに入れる。
〈5〉塩漬けの梅の袋から梅酢1/2カップを取り出し、4に注いで箸でほぐし、赤い色を出す。
〈6〉塩漬けの梅の袋に5の赤ジソを全体に広げるように入れる。赤く染まった梅酢(赤梅酢)も注いで密閉し、そのまま梅雨明けまで冷蔵庫に保管する。

STEP3 土用干し(7月上旬)

梅雨が明けたら、晴れた日に天日干しにします。完全に乾くまで全部で3日干せば完成です。

・梅と汁気を絞った赤ジソをざるに並べ、日当たりがよく、風通しのよいところで朝から干します。赤梅酢もラップして一緒に干します。表面が乾いてシワシワになったら、清潔な保存容器に梅と赤ジソを移し、赤梅酢を注いで保存します。

その他、「梅仕事」いろいろ

◎土用干しとは?

「土用」は立春、立夏、立秋、立冬のそれぞれ前18日間のこと。今では立秋前の「土用の丑の日」と「土用干し」くらいしか聞かなくなりました。「土用干し」は7月20日頃、夏の強い日差しが安定する頃に天日干しにします。晴天日の朝9時頃から日当たりの良い場所を選んで干しましょう。

マンションではどう干すの?

ベランダで干しましょう。通気性が良くなるようにザルの下に台を準備して干しましょう。

 

仕事で日中家にいない時は?

日差しが入る窓辺に梅を並べたざるを置き、ガラス越しの光が当たるようにしてください。朝、出かける1時間くらい前にベランダに干して、出かける前に梅干しをひっくり返しておけばさらにいいですね。

梅に雨がかかってしまったら?

梅を焼酎にくぐらせて殺菌してください。そのまま室内で乾かして、晴れたら屋外で3日間土用干ししましょう。

晴天が続かず干せない時は?

干さずに「梅漬け」にするのもおすすめです。「梅漬け」は塩漬けした梅を干さずにそのままいただくもので、干さない分、梅が少ししっかりとした食感になりますが、すっきりと酸味が立ってなかなか美味しいです。

夜はどうしたらいいの?

土用干しは「3日3晩」といわれますが、雨に降られたらせっかくの梅干しが台無しです。日が陰ったら、室内に取り込みましょう。

赤梅酢と塩梅酢はどうしたらいいの?

赤梅酢はほんのり紅色をつけたい時に便利。塩のみで作った梅干しの塩梅酢も、保存しておけば料理に使えて便利です。

 

梅干しを使った料理レシピをご紹介します

【梅ご飯】

梅雨から残暑の頃まで、食欲のない時にぴったりの変わりご飯。季節の香りを味わいましょう。
〈材料〉
・米2合
・酒大さじ1
・梅干し2〜3個
・梅漬けの赤ジソ適量
〈作り方〉
米は炊く1時間前に研いで、ざるにあげておきます。
炊飯器に米、酒、細かくちぎった梅干しを入れ、いつも通りに炊きます。
炊き上がったら梅干しの種を取り除き、シソの葉を軽く絞ってみじん切りにし加え、全体をざっくり混ぜ合わせて完成。

【魚の梅肉煮】

サバ、いわしなど、どんな魚の缶詰を使っても生臭さが消えて美味しくなります。
〈材料〉
・魚の缶詰1個
・梅干し3〜5個
〈作り方〉
缶詰から出した中身を汁ごと鍋に入れ、同時に梅干しも加えます。
中火でパラパラになるまで混ぜ合わせ、気長に炒り続けます。
梅干しに火が通ってくると、自然に種が果肉から離れるので取り除きます。
このままでも美味しいですが、醤油や酒などを加えてお好みの味にしてもいいですね。

【豚肉の梅肉あえ】

豚肉と梅干しは相性がよく、食欲がない時も美味しく食べられます。疲労回復のスタミナ食、酒の魚にもおすすめです。
〈材料〉1人前
・豚もも肉の薄切り80〜100g
・しょうが
・醤油小さじ1杯半
・みりん少々
・片栗粉
・梅干し1個
・いんげん50g
〈作り方〉
しょうゆ、みりん、おろししょうがを合わせた中に豚肉を漬け、20分ほどおきます。
味が染みたところで、片栗粉を軽くまぶし、アルミホイルに包んで蒸し焼きにします。
梅干しの果肉をつぶし、砂糖とみりんを加えて伸ばします。
柔らかくなったら、一口大に切った蒸し焼きの豚肉を梅の肉であえます。
あえたところにインゲンを青ゆでしたものを加えます。